~刻み食が消えた~
当院のNSTディレクターである管理栄養士の伊藤が、NSTプロジェクト摂食・嚥下チームとして、6月21日に盛岡市で開催された、第22回北東北臨床栄養勉強会にて、『当院のNSTにおける摂食・嚥下チームの活動~刻み食が消えた~』という演題で発表して参りました。
当院は高齢で、何らかの摂食・嚥下障害を持つ患者が多く、食事形態を個々に合わせ対応してきました。副食は刻み食を含め12種類あり、さらにむせのある患者さんにはとろみをかける・つける等、より多種類にわたるものでした。しかし、患者さんによってはそれでもむせている方もいて、「本当にこの食事は適している?」という考えが湧いてきました。また調理作業が増加している
現状がある等、様々な問題を感じ、飲み込みやすい嚥下食を検討するため、摂食・嚥下チームを立ち上げました。(スライド①)
まず、刻み食とソフト食を試食し、ソフト食の必要性をチーム全員が認識した上で、様々な検討を重ね、患者さんへ試食して頂いたりしながら、ソフト食導入に至りま
した。(スライド②③)当院のソフト食は、嚥下食ピラミッドを基礎として、当院独自の定義を決め、分類しています。ピラミッドでは嚥下食・咀嚼食と呼んでいますが、言いにくいため、当院ではソフト食1・2・3・4としました。12種類あった副食の形態がソフト食導入後は8種類に分かりやすく、簡素
化されました。(スライド④)こちらの食事は、ソフト食3です。調理師も、しのだ巻きのように、ハンバーグのように、りんごのようにと、見た目もできるだけ料理に近くなるように心を込めて、おいしく作ってくれています。(スライド⑤)
ソフト食を導入して良かったこと、見えてきた問題点で
す。問題点に対する取り組みとしては、退院時に家族の方や入所施設職員の方へ、希望がある場合にはソフト食の調理実習を行ったり、作れない方にはソフト食の配食サービスを紹介したりしています。また、食事内容の呼び方が病院や施設で異なるので、栄養連絡表に食事内容や食事摂取状況を記入して、情報が伝わるようにしています。(スライド⑥)今回、NSTの摂食・嚥下チームでソフト食導入を検討して、他職種の関わりの中で、同じ水準で必要性を感じ、目的意識を共有することで、当院の食事改革ができました。これはフードサービス、クリニカルサービス、NSTの接点だと思います。患者さんの視点に立って、「食べたいと思う食事」=それは、安定した物性で安全なもの、温度、美しさ、香りを大切にした食事を提供しよ うとする熱い気持ちが、食の改善となり、その思いを持ち続けていくことが大切と考えます。(スライド⑦)
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