新院長【西山 弘文】より御挨拶

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 このたび故佐藤進先生の後継として8月1日付けで、医療法人 謙昌会 総合リハビリ美保野病院院長に就任致しました。御挨拶申し上げます。

 日本の社会保障制度における医療福祉の制度設計を見回す時、一貫して財政再建の施策に通ずる医療財政抑制策が目立つようです。聖域を無視した構造改革断行の時代のみならず、近年は当たり前の政治感覚として政策遂行されてきた風潮だったように思います。新政権による意識変革への期待が高まるところです。

anzu02.jpg また昨今、みせかけの医師不足現象の勘違いをもたらし、「医療崩壊」という台詞のはびこる社会問題の背景にも様々な要因があります。その中には医療経済の御都合から派生した医療機能分化策にあおられてか、医師の過剰な専門細分化が進み、「機能偏在」というべき副産物(専門家過剰)による頭でっかちの医療構造に変質した結果だという分析も潜在しています。肝心かなめの基本的な医療現場を支える資源(医療福祉スタッフ等)に空洞化現象が発生している現実を見逃せません。地域偏在の問題ばかりではなさそうです。

 私達、総合リハビリ美保野病院は、「杏の里」安心ネットワークを構成する一員として、医療と福祉とが寄り添いながら実践する「介護医療」の現場においても包括的な「プライマリ・ケア」の視点で底辺から支え続けることを目指します。

 多臓器の故障と闘う各種障害者の方々の全身機能回復訓練と療養生活の質を再建する上で、とても大切な「総合リハビリテーション医療」の延長線上に、地域社会生活への復帰を図る「ノーマライゼーション」の過程をも支援します。

 慢性的な疾病を抱える虚弱なお年寄りの体調変化や脳血管障害・認知障害者の生活行動を観察しながら、病状増悪・再発や廃用進行に伴う全身衰弱を未然に防ぐことで、救急医療への移行を予防していくためにも、日常的な生活リハビリテーションの維持・強化に加えて、栄養状態の改善を目指す実践にこだわります。様々な身体機能の廃用や全身的な抵抗力(免疫力)の低下を防ぎつつ、福祉活動との密着した協働歩調を大切にすることで、地域完結型の在宅介護医療の資源 ( 通所ケア「デイ・ホスピタル」や訪問リハ・ケア看護等 )と有機的に結び付ける総合的な在宅リハビリテーション医療のあり方を提起します。

anzu00.jpg  丁寧なアフターケアを実践する中で、在宅療養生活の支援と体調管理を可能ならしめる在宅医療(地域ベット管理)態勢の強化を図り、病状変化時の迅速な判断や、適度かつ適切な応急対応を実施する努力によって、無用な高度救命救急(延命)集中処置の導入をできるだけ防ぎ、高齢・障害者による救急ベッドの長期占拠問題の緩和に導く管理型医療を実現させる可能性すら追究したいのです。

 高度なハイテク・リハビリ機器類には届かずとも先進的なリハビリ・システムを模索する中で、「回復期リハビリテーション」法による強化機能訓練の入院期と、在宅療養の日常生活支援機能として施す「デイ・ホスピタル・ケア」等の維持リハビリの時期とを切れ目なく連携させていく実践をベースにおいて、継続的医学管理を可能ならしめることで、新たな「予防医療」の分野への展開が想定されます。

 こうした新しい概念による保健活動を実現するためには、地域住民の方々や病める患者の皆様と「共に」、相互に寄り添い支え合う姿勢と、地域リハビリテーションを活用しつつ、自らを創り続ける生活再建の自助努力も大切になります。

 「杏の里」の情報網を駆使しながら、理念 ( 保健・医療・福祉の統合・協働 ) の実践を目指す包括ケアシステムの中、可能な限りのセーフティネットを張り巡らし、精度の高い「杏の里ケア方式」を世に問うべく、「長寿社会の道標」を発信してみたいと思います。

 微力ではございますが、精一杯努力する所存でございますので今後とも宜しくお願い致します。

医療法人 謙昌会 総合リハビリ美保野病院

 院 長  西 山  弘 文

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