認知症による心理的問題と関わり方について

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<認知症の定義>

 認知症とはどのような病気なのでしょう。

 ICD-10による認知症の定義は「通常、慢性あるいは進行性の脳疾患によって生じ、記憶、思考、見当識、理解、計算、学習、言語、判断等多数の高次脳機能の障害からなる症候群」とされています。この定義の要約を示すと、何らかの脳への障害を基本に、記憶障害があり、認知機能障害があり、これらに伴って、生活に支障をきたす状態が認知症ということになります。

<認知症の症状>

 認知症の症状は、中核症状と周辺症状に大別されます。中核症状は認知症の主となる症状で、記憶の障害をはじめ、思考の障害、理解の障害、判断の障害などがみられます。周辺症状では、中核症状に遺伝的、心理学的、社会的な各要因が加わって生じ、抑うつや徘徊などの問題行動がみられます。

<認知症によって生じる心理的問題>

 認知症の人自身、自分が以前のようにできなくなったことに気づいて、その人なりに対処しているのです。そのため、できないと決めつけられるとさらに意欲が低下します。また、大切にしているものをしまい込んで、どこにあったか思い出せない時などは、「あんたが盗んだんだろう」と気持ちのぶつけ先が、家族に向くこともあります。認知症になることは、多くの人にとって、不安や混乱状態に陥りやすくなるといえます。さまざまな環境に適応することも難しくなります。以前は気にならなかった孫の友達の声が騒々しくなり、大声で怒鳴りつけたり、慣れている場所でも少し看板が変わったりなどすると混乱し、自分がどこにいるのかわからなくなるなど、環境の変化を受け止めることが難しくなります。このような認知症の人がおかれた心理状態を理解し、その思いを知ることがケアへの第一歩となります。

<認知症と家族>

 認知症の人から、同じことを何度も繰り返し言われる、夜中の徘徊など、認知症の介護には忍耐力が必要です。時にイライラしたり、腹が立ったりなど、ストレスがたまることもあるため、直接介護に携わっている者が陥りやすい心理的葛藤を、他の家族や周りの人が共有することが大切です。

認知症の症状は人それぞれであり、私達ケアする側も患者様一人一人に合わせて対応することで、混乱や不安の軽減を図り、訴えを否定せず思いを聴くこと(傾聴)により気持ちを分かち合えるよう努力していきたいと思います。また退院後、介護者の立場となる家族の方と今後の不安や心配事に対し一緒に向き合っていきたいと考えます。

 <参考文献>

日本認知症コミュニケーション協議会:認知症ライフパートナー検定試験 基礎検定 公式テキスト,初版第3刷,2011

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