浮腫みについて

2020年03月11日

1.はじめに

 臨床において、よく患者様やその家族から、『手や足にむくみがあって気になる』ということを多く聞きます。しかし、浮腫に対してどのようにすればよいのかわからないことが多いと思います。そこで今回は、浮腫についての簡単な説明と対処法を紹介したいと思います。

2.浮腫の原因

  浮腫は、麻痺や寝たきり等の状態になり、体を動かさなくなることで、循環が悪くなり

 組織液量が蓄積・貯留した状態です(いわゆるむくみとなる)。

 ※組織液とは、血管外で細胞間を満たす組織間液のこと。

 浮腫の原因は大きく4つに分かれます。

 ・心不全によるもの

 ・脳卒中や脊髄損傷による麻痺

 ・低蛋白血症

 ・リンパ管閉塞

 

3.対処法

・浮腫がある手足を挙上する

   電動ベッドのギャッヂアップで足を上げる、枕やタオルを浮腫のある手足の下に敷

   き、心臓より高くする。

 ・自他動運動

   手足を動かす、動かしてもらうことで血流の流れを良くする。

 ・圧迫包帯の使用

   手足の先の方から強く巻き、体に近づくにつれて弱く巻いていく。一日3回以上。ま

   た、弾性ストッキングを使用する方法もあります。

 ・温冷交代浴

   温水と冷水を用意し、浮腫のある手足を入れる。温水に2分、次に冷水に30秒程度交

   互に3~4回繰り返す。

 

4.終わりに

当院でも、脳卒中となり麻痺側の手足に浮腫がみられることが多いです。また、寝たきり等で活動性が低下し浮腫が手足にみられることもあります。浮腫を放っておくと関節が固まってしまう原因にもなりますので、できるだけ早期に対応していくことが重要となります。ぜひ、参考にしてみて下さい。