リハビリテーション科 障害受容について

2020年03月13日

1.初めに

身体的な障害を持つようになった人が、「自分の障害をどのように受け止め、自分のなかにどう位置づけるのか」といった障害受容の問題は重要です。

2.「障害受容」とは

「障害を直視し、障害に立ち向かい、障害とともに生きることも自己の生き方の一つで

ある受け止め、生活していくことである」(清水里江子,2012)

しかし、定義を厳密に述べている論文は極めて少なく、また簡単すぎてしまい、誤解が生じてしまう可能性もあります。

3.障害受容の5段階

障害受容には次のような段階があるといわれています。

①ショック期:自分自身に何が起こったか理解できない状態。

→しかし、この時期は長くは続かず少しずつ現実を認識できるようになります。

②否認期:自分の障害から、目を背けて認めようとしない時期。

→気持ち的なショックを和らげる意味で重要な時期。しかし、訓練などには積極的ではなく、この時期が長く続くとリハビリを拒否するなどの影響が出てきます。

③混乱期:「怒り」・「悲しみ」・「抑うつ」などが現れる時期。

→介助者(家族・病院スタッフ)とのトラブルが生まれるやすい時期。しかし、この「怒り」は特定の人に向けられたものではなく、行き場のない怒りを出している事を理解して、受け止めることが大切です。

④解決への努力期:様々な事をきっかけにし、病気や障害に負けずに生きようと努力する時期。

⑤受容期:自分の障害をポジティブに前向きに捉えられるようになる時期。

→ネガティブなものではなく、「障害があっても色々な事が出来る」、「障害があるから別の生き方を味わえた」「社会(家庭)のなかで何らかの新しい役割や仕事を得て活動をはじめ、その生活に生きがいを感じるようになった」という様な状態の事です。

もちろん、全ての人が同じような心理的な変化を経験するわけではありません。しかし、多くの方にこうした心境の変化が現れると考えられています。

4.まとめ

なぜ、「障害受容」が必要なのでしょうか。その答えは、「現状を受け入れることで、障害と折り合いをつけて生活し、共存していく」ことで、その後の生活に活気が出るからです。そこで、「障害とうまく付き合っていく」方法を見つける手伝いをするのが私たち専門職の役割だと考えます。そして、その過程には、寄り添ってくれる人(家族・友人)の存在が必要不可欠であるといえます。

【参考および引用文献(引用は一部改変)】

1.廣瀬肇 他:言語聴覚士テキストp132.医師薬出版株式会社.2007

2.上田敏 他:障害の受容-その本質と諸段階について-,1980

http://www5.ocn.ne.jp/~tjmkk/hon004.htm

3.田島明子:「障害受容とリハビリテーション」,2004

http://www5.ocn.ne.jp/~tjmkk/ronbun1.htm

4.清水里江子:「障害受容について」,2012

http://www.ozakihp.or.jp/rehabili/studymeeting/2012/2012