栄養サポートチーム(NST)
NSTって?
NST = Nutrition Support Team 『栄養サポートチーム』の略称です。
病院で働く、専門職種がそれぞれの知識や技術を出し合い、適切な栄養管理を行うためのチームです。
総合リハビリ美保野病院NST
当院は高齢の患者の方が多いので、脳血管に関する病気などにより、食事摂取が不良であったり、嚥下に問題があることなどを原因とした低栄養の方に対する栄養管理を中心としています。
また、嚥下障害のある方へ、適切な栄養の摂り方を相談・アドバイスしたり、今は栄養状態が良くても、病気の質などにより今後悪くなる恐れのある方への予防などもあわせ、幅広く活動を行っています。
さらに、一般病院と違い療養型病院なので、長期間関わり、経過を見ることができます。また、退院後も継続した栄養管理を行っていますので、入院中だけでなく在宅療養へ戻られても栄養状態を維持していけるように活動しています。
総合リハビリ美保野病院NST沿革
平成16年 5月 | 栄養管理委員会にて初めて議題にあがる |
平成16年 7月 | 栄養管理委員会主催の勉強会を開始(月1回) |
平成16年 9月 | 栄養管理委員会主導にて、準備的トレーニング活動開始 |
平成17年 7月 | 栄養管理委員会直轄でNSTプロジェクト、本格稼動 |
平成17年 10月 | 日本静脈経腸栄養学会(JSPEN)NST稼動施設認定 |
平成18年 9月 | 日本栄養療法推進協議会(JCNT)NST稼動施設認定 |
平成19年 5月 | NST外来立ち上げ |
平成20年12月 | NST専門療法士認定2名取得 |
平成21年 9月 | 日本栄養療法推進協議会(JCNT)NST稼働施設更新認定 |
平成23年 2月 | NST専門療法士認定1名所得 |
平成24年 2月 | NST専門療法士認定1名所得 |
平成26年 4月 | 日本静脈経腸栄養学会(JSPEN)NST稼働施設更新認定 |
NSTメンバー構成
医師、薬剤師、臨床検査技師、看護師、管理栄養士、栄養士、言語聴覚士、理学療法士、作業療法士、放射線技師、調理師、事務、ケアマネージャーに加え、当院では現場で実際に食事介助に当たる介護士も積極的に参加しています。また、嚥下の問題などにより、食事摂取に問題を抱える方が多いので、口腔ケアや摂食嚥下機能訓練に力を入れるため、歯科医師、歯科衛生士、言語聴覚士も積極的に参加しています。そして、さらなる活動の強化のため、摂食・嚥下チームとして4つの分科会(嚥下リハ評価分科会、食事形態検討分科会、口腔ケアリハ検討分科会、呼吸器リハ検討分科会)を編成しています。
NST・実際の活動は?
では、具体的に何をするのかというと、入院患者・在宅療養者全員に栄養評価を行い、栄養状態が良くない方、今後悪くなる可能性のある方を見つけ出し、どうして栄養不良なのか?どうして食事が食べられないのか?など原因を調べ、その方に必要な栄養量を計算、それを補うための栄養の摂り方や食事形態などを考えます。その後は食事がどれだけ食べられているか、身体計測、血液検査データの動きを見ながら、その都度考え直しを重ねつつ、継続して活動していきます。
活動内容
ランチタイムラウンド
毎週金曜日の昼食の時間に、実際に食事を食べているところを見ます。
ベッドサイドラウンド
毎週火曜日、対象の方を訪問し、表情や皮膚・筋肉の状態観察を含めつつ、コミュニケーションを図ります。
ランチタイムミーティング
毎週水曜日、重点対象者のケースカンファレンスを行います。
総合カンファレンス
月1回、運営に関することの、スタッフ全体への連絡、教育的な症例の学習などを行います。
NST勉強会
NSTスタッフだけでなく、院内の全スタッフに開放し、月1回、一般的な栄養に関すること、病態別の栄養管理についての他、年度始めには新人NSTスタッフを対象に、オリエンテーションなどを行い、スタッフ全体のレベルアップを図っています。
NST実績
●2009年3月31日迄で、のべ2,546名名にスクリーニングを実施しています。
●2009年3月31日迄で、532名(死亡・転院・離脱を含む)を対象に活動中してきました。
◎平成28年3月迄で、のべ4698名にNSTスクーリングを実施しています。
◎平成28年3月末迄のNST対象者は1326名(死亡・転院・離脱を含む)です。